社会保険は医療費の負担割合こそ国民健康保険と同じですが、国民健康保険にはない給付金制度(傷病手当金や出産手当金)があったり、厚生年金とセットで加入しておくことで将来受け取れる年金が多くなるなどのメリットがあります。
働く側からすれば当然、「社会保険完備」の会社のほうが高待遇ということになるわけです。
しかし、なぜか社会保険に加入したことを理由に時給を下げられた、給料を一定の割合カットされたという事例も存在しているようです。
そもそも社会保険が国民健康保険に比べて有利なのは、保険料の「労使折半」という原則があるからです。
国民健康保険の場合は加入者が負担する金額だけがが保険制度の「財布」に入るのに対して、社会保険では労働者と会社が折半、つまり保険料をワリカンで1/2づつ納めます。
言い換えれば高い料金を支払って贅沢な保険に加入していはいるものの、会社が半分支払ってくれているために労働者の負担が少ない、というのが社会保険ということです。
ちなみにこの、労使折半に関しては健康保険法という法律で定められていて、会社が勝手に「半分はキツイから4割だけ払おう、6割は負担してくれ」などと決めることは許されません。

ここまで書けば、カンの良い方はもうお気づきでしょう。
会社としては社会保険に加入する社員が増えると、その分だけ会社が負担する社会保険料が増え、経営を圧迫することになるわけです。
そうすると法律で定められた労使折半の原則を無視して、
「労働者が社会保険に加入させなきゃならない」
↓
「会社の負担が増える!」
↓
「そうだ、会社の負担分も労働者に支払ってもらおう」
という腹黒い方法を取ろうとする経営者がいるのです。
社会保険加入による賃金カットは当然違法ですので、例えば給料から社会保険料が余計に天引きされていたりすれば、その分の返還を求めることが出来ます。
また、特に派遣社員の場合は社会保険加入を理由に派遣会社が不当に時給を下げるという事例も少なくない、給料明細を必ず確認して目を光らせておいた方が良いでしょう。
| このコンテンツに関係する法律 健康保険法161条 |
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