職場いじめと環境配慮義務

会社内での人間関係には仕事上の事だけでなく、個人的な要素が関わってくることも多いものですが、たとえ個人的な争いであっても、会社は「勝手にやれ」と見過ごすわけには行きません。

会社には労働者が快適に働けるように職場を管理する義務があるからです。

職場環境配慮義務とは

上記の通り、会社は労働者が働くための環境を安全・快適にしておく必要があり、これは職場環境配慮義務と呼ばれています。

労働契約は人身売買ではないわけですから、時間を拘束して労働者を働かせる以上、会社がその環境に配慮しなければならないのは当たり前です。

例え肉体的に無傷であっても、陰口やセクハラ、仕事上で不平等な扱いを受るような事があれば会社が職場での環境を整えているとは言えませんから、精神的な苦痛に対しても職場環境配慮義務あるということになります。

本来チームワークが重要なビジネスの世界で、いじめの苦痛に耐えながら働かなければならないというのはとても馬鹿げた話ですから、もしも明らかにいじめや嫌がらせをする人物が存在するとしたら、基本的にそれは会社全体の問題であると考えましょう。

職場いじめの特徴

職場でのいじめ・嫌がらせの大きな特徴は、仕事上の指導や注意を装った形で行われるということです。

仕事の内容にこじつけるのは職場いじめの典型的な特長です

自分は間違っていないという自信を持っていても、何度も何度も仕事の内容やミスを批判され続けるとその自信を失ったり、仕事に対しての意欲を失ってしまうでしょう。

しかし、問題は加害者にあることを忘れないで下さい。
完璧な人間など存在しないのですから、多少のミスや苦手な仕事があるのは当たり前です。

職場いじめはそれらを必要以上に強調し、周りの人たちの評判を落としたり被害者に自身を喪失させることを狙って行われるものですから、言われたことを必要以上に気にして自分を責めてしまわないようにしましょう。

まずは同僚・上司に相談を

いじめや嫌がらせの被害に遭ったら、一人で悩んだり抱え込まずに同僚や上司に相談しましょう。
じっとガマンして耐え続けたり、個人的に仕返しをしようとすれば事態は更に悪くなってしまう事が多いですし、精神衛生上も良くありません。

いじめに遭った時は正当な手段で早急に対策を打つことが大切です。

自分が被害に遭っていることを回りの人に知らせるだけでもいじめ防止に効果がある場合が少なくありませんし、被害に遭っていることを理解してくれる人がいるだけでも精神的に楽になるはずです。

そもそもモラルに反した社員に処分するのは職場環境配慮義務がある会社の役割ですから、上司や会社が中心となって組織全体で問題解決に当たるのが正しい対処法なのです。

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-このページに関係する法律-
民法第709第条
労働安全衛生法第69・71条
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