各種費用の給料天引きは違法?

給料明細を見ると、総支給額から色々な項目で天引きが行われていることに気付くと思います。

税金や保険料をはじめ、旅行の積立金や親睦会費など、あまり仕事とは関係無さそうな名目で天引きが行われている事もあるでしょう。

さて、会社が給料から様々な費用を「天引き」することは、法的に問題無いのでしょうか?

法定控除なら合法

法律で定められている一部の費用に関しては、会社がいちいち労働者の了解を得なくても、給料から天引きすることができます。

項目としては、
・税金(所得税、住民税)
・社会保険料
・雇用保険料
の3つがこれに該当します。

もっともこれらは公的な制度であることが知られていますから、特に問題視している人はいないでしょう。

法定控除に該当する項目については、給料からの天引きが認められています

ただし、保険料としっても労災保険に関しては会社・雇用者が負担することになっているので、これが給料から天引きされている場合は違法行為となります。

その他の天引き

法定控除以外の名目で給料からの天引きを行う場合には、その内容を労使協定で定めておかなくてはいけません。

労使協定は会社・雇用者と労働者(労働組合あるいは代表者)との間で合意があってはじめて結ばれるものですから、結局のところ労働者の同意無しに天引きすることはできないわけです。

例えば旅行のための積立金やレクリエーションのための親睦会費などを勝手に天引きすれば違法行為となります。

業務上必要な事務手数料や研修費用なども原則として会社が負担するものと考えられているので、労働者の同意無しに負担させる事はできません。

また、「会社の物を壊したら弁償?」にも書きましたが、労働者が会社に与えた損害を給料から天引きすることも認められていません。

労働基準法にある「賃金全額払いの原則に基づいて、きちんと全額を支給した上で損害賠償金を請求する必要があるのです。

天引きされたお金は返ってくる?

そもそも労使協定に定められてない名目で天引きが行われていた場合は、何の根拠も無くお金を取られたわけですから、当然全額返金を求める事が可能です。

また、労使協定に定められている旅行積立金等についても、参加する前であれば当然返還を求める権利があることになります。

ただし「○○会費」といったように、特定のグループに在籍している事によって生じる費用については、参加中の会費は返還されない可能性があります。

例えば会社のテニスサークルに所属していて月会費を払っている場合、仮にテニスの練習や試合に参加しなかったとしても、在籍中の会費は支払わなければならないでしょう。

いずれにしても天引きされている費用の内容をよく確認しておくことが重要です。

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-このページに関係する法律-
労働基準法第24条
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