不公平な懲戒処分は無効?

会社というのは本来、規則に則って運営されている組織であるべきですが、やはり人間が運営する以上、どうしても好き・嫌いや一時の感情によって判断が下されることが無いとは言えません。

会社でミスをして上司の逆鱗に触れてしまい、厳しい懲戒処分を受けたときなどは、「悪いのは認めるけど、この処分って重すぎるんじゃないの?」
と思うこともあるでしょう。

果たして、明らかに不平等と思われる懲戒処分に関しても、労働者は受け入れる義務があるのでしょうか?

処分の程度は同一でなければならない

何らかの規則に違反して懲戒処分を受ける場合、その違反の種類や程度が同じなら、処分の重さも同じであるべきと考えるのが当然です。

これは「均等待遇の原則」と呼ばれ、労働基準法以前に憲法に記されているもので、会社は当然この原則に従って運用されなければなりません。

だから例えば、
「社長のお気に入りのAさんは、5分くらいの遅刻をしても許されたのに、Bさんは処分の対象となった」
というように、懲戒処分の対象となった行為が同じであるにも関わらず処分の重さが異なれば、それは立派な人権侵害であり、不当処分であることになります。

同じ行為に対しての処分は、同等でなくてはなりません
多少嫌な顔をされるくらいならギリギリ許容範囲かもしれませんが、例えば減給などの懲戒処分を言い渡された場合は、当然処分の撤回を求める権利があると考えられます。

黙認されていた行為への懲戒処分も無効

例えば、「いかなる理由があっても、会社のパソコンを業務以外の目的に使ってはならない」という規則がある会社で、実際には多くの社員がお昼休みなどにネットサーフィンをしている状況だったとします。

そして、ある日突然ある社員が「パソコンを業務以外の目的に使用した」として懲戒処分を受けたら、果たしてこの処分は有効と見なされるでしょうか?

実は、仮に就業規則などにきちんとした規定がある場合でも、会社が事実上黙認してきた規則違反に関しては、いきなり懲戒処分を下すようなことは出来ません。

今まで事実上許されていた行為に対して突然ペナルティを課したりすれば、時間の前後はあっても「同じ行為に対して不平等な処分を下した」事になるわけですから、これは当然といえば当然でしょう。

会社が黙認してきた行為を懲戒処分の対象とする場合は、事前に注意喚起や警告を十分に行って、「これからは処分の対象になりますよ!」ということを周知徹底する必要があるのです。

このコンテンツに関係する法律
日本国憲法第14条

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