最近は旧来の終身雇用・年功序列制度が崩れ、実力主義・成果主義に移行する会社が増えてきました。
当たり前の話ではありますが、会社の本音としてはやはり、利益を生む人材にしかお金を出したくないということになるんでしょう。
そして実力主義・成果主義の究極の姿とも言うべきものが完全歩合給。
つまり働いて成果を上げた分だけ一定の計算によって給料が支払われるというものです。
しかし日本の法律に照らし合わせてみると、完全歩合給というシステムは労働基準法違反になるということを知っておいてください。
完全歩合給という労働条件で求人をかけている会社を見ると、ほとんどの募集条件が「営業」あるいは「販売」などとなっています。
物やサービスを売るという仕事の場合、当然のことながら全く売れなければ会社入ってくるお金も0です。
この点が利益がゼロなら給料もゼロにしたい、という会社の都合を反映していると言えるでしょう。
しかし、日本の法律では、仮に利益が全く得られなかったとしても、働いた人間に給料を支払わないということは許されません。

労働基準法には
「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」
という規定があるので、経済的な利益に結びついたかどうかに関わらず、働いた人に対しては賃金を支払わなければならないのです。
たとえ労働契約に「完全歩合給とする」というような記述があり、それにサインしたとしても、法律で定められている最低基準を満たしていない契約は無効になります。
最低賃金に関しては地域別・職種別に1時間あたりの最低額が決まっていますので、歩合給の仕事で成果を上げられなかったとしても、会社・雇用者は労働時間×最低賃金という最低限の金額を労働者に対して支払う必要があることになります。
なお、最低賃金に関しては『最低賃金に関する法律』をご覧ください。
さらに、会社は最低賃金さえ払っていればよいのかというと、必ずしもそうとは限りません。
なぜかというと、労働省からの通達(労働省発基)では「実収賃金とあまり隔たらない程度の収入が保障されるように保障給の額を定めるべき」としているためです。
従って出来高払いで契約している社員が保障されている給料が、同じ会社の他の社員に比べて極端に低いような場合は、法的に問題ありと判断される可能性もあります。
一般的には、休業補償と同じ通常の賃金の60%程度が保障給の最低ラインと解釈されているようです。
| このコンテンツに関係する法律 労働基準法第27条 |
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