会社に提出する誓約書の効力

会社に入る時、つまり労働契約を結ぶ時には雇用契約書や保証人を証明する書類などと一緒に、色々な事項を記載した誓約書へのサイン・押印を求められることがあります。

この誓約書にはいったいどんな効力があるのでしょうか。そして会社に求められた時、誓約書を提出する義務はあるのでしょうか?

誓約書の効力について

実は労働契約を交わす際(あるいは雇用契約とは別に)提出する誓約書というのは、法的に特別な意味を持つものではありません。

だからその書類が「誓約書」だったからといっても、単に「両者の間で合意した約束の覚書」くらいの力しか無いのです。

従って、誓約書が効力を持つのは、その内容が合法であり会社と労働者が本当の意味でその内容に合意している場合だけということになります。

中には誓約書に
「残業の指示があった場合には必ずその指示に従う」
「不注意により事故を起こした場合は、その損害を全額賠償する」
「業務命令に従わなかった場合は、解雇されても不服を訴えない」
「残業代は請求しない」
「同業他社には5年間転職しない、同じ事業で独立しない」
「遅刻した日の賃金は請求しない。」
などという項目を書いてそれにサインさせる会社もあるようですが、会社と労働者の間でこのような約束を取り交わしても法律に反しているので、全て無効になります。

誓約書にサイン・押印をしたとしても、違法な内容については全て無効になります

そもそも内容が合法的であり、社会的に見ても合理的なものであれば、必要な約束事は就業規則などに組み入れておけば済むわけで、「誓約書」という物々しい書式にしたところで効力が強まるわけではありません。

せいぜい啓蒙活動「守らなくてはいけないという意識を持ってもらう」つまり啓蒙活動の一環くらいの意味だと解釈しておけば良いでしょう。

誓約書の提出義務について

誓約書が両者の同意によって始めて意味を持つものである以上、強制的に「サインしろ」あるいは「判を押せ」と言われても提出する義務はありません。

ただし、就業規則等に誓約書を提出する事が定められていて、さらにその内容が約束事として合法かつ合理的なものであれば、提出の義務が発生すると考えられます。

提出を断ったらどうなるか?

法的な根拠の無い誓約書に関しては提出義務がありませんが、提出を断った結果として「入社させてもらえない」「懲戒処分を受ける」など、何らかの不当処分を受ける可能性は十分にあるでしょう。

もちろん誓約書の提出を拒否して会社と争うのも決して「間違った行動」ではありませんが、争う時間と労力を考えると、なんとか穏便に済ませたいものです。

そんな時はとりあえず形だけでも誓約書を提出して、何食わぬ顔で過ごしてしまうのも一つの手です。

もともと法的根拠の無い書類をいくら提出したところでそれはただの紙切れですし、誓約書の内容に抵触するような問題が起こった時は、その時点で権利を主張すればいいからです。


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